音楽の森ウィーン15日

昼下がりのミッテ行き列車に揺られながらウィーンを目指す。この旅の行先はマケドニアとアルバニアだが、つなぎとして半日程度の時間をウィーンに取ることができるのは幸いだ。街に向かう風景は閑散として整然とした雰囲気。少しうら寂しく、それでいてゆったりとしている、東欧というとこんなイメージを確かに抱かせる。

↑空港と街は近い。


30分も経たずして列車は街に到着する。駅前に早速ケバブ屋があるのが東寄りの特徴だ。ここはまだウィーン市街としては東端の方、腹ごなしをしながら旧市街を目指すとしよう。歩く視線の先にとらえるものすべてが絵になる、世界的に人気のある街だ。雑然とした日本や韓国、アジアでは生み出すことのできない直線の美しさ。この町景観はヨーロッパならではのものだ。

↑なにげない建物ですら美しい。

↑ただのベスパですら絵になる…ような気がする。



迷い込む街

歩けば歩くほど、迫ってくるウィーンの街並みの美しさ。地図も見ずに足の赴くままに歩くのがいい。狭い路地を抜け、低い天井をくぐり、遠くに見える教会を目印にまわるように歩いていく。いつのまにか新市街から旧市街に入り、地面もアスファルトから石畳に変わり、時間はかなり経っているというのに、その経過を感じさせないのは、自分がこの町を歩くということに没頭しているからに他ならない。

↑旧市街のシンボル、シュテファン寺院


時刻は陽が傾きだした夕刻、気の向くままに旧市街南西に突き抜けてさらに進んだところで気づく。マケドニア行きのフライトの時間が差し迫ってきているということに。自分が思った以上に離れてきてしまっていたため、急ぎ足でもと来た道を戻る。

一瞬、このままウィーン旅行にしてもいいのでは?という囁きがよぎる。ウィーンの奥深さに触れるも良いし、オーストリアにはザルツブルグやザルツカンマーグートといったそれは美しい景勝地があると聞く。だが、そのままだと預けたままのザックだけがマケドニア旅行に飛んでしまうことに気づいて、やはり空港に向かうことにした。


ただでさえギリギリの中、空港行きの列車がストップして冷や汗に塗れたのはここだけの話だ。


↑絶対また来てゆっくりしたいと思った。

↑王宮の壮麗さは見事。