夕焼けウユニ

俺たちは再度ウユニに向かっている。今夜の列車は動いていたし、座席の予約も出来た。バスのキャンセルもした。町に着いたのは夕方前だったが、そこから旅行社と交渉して急いで再度ランクルを出してくれることになった。すべての状況が俺たちにもう一度ウユニに行けと言っている。

そうして苦労して見た景色はまた素晴らしいものだった。無音の世界の中で色づいていく空とそれをそのまま反射する大地は美しいなんてものじゃない。最初から最後までやってくれるぜ、ウユニは。何百回だって言ってやる。この場所に来れて本当によかった、と。

↑もはや言葉はいらないでしょう。

↑そして陽は沈みゆく……。


町で夕飯をみんなで食べて、良い旅を!別れの時である。俺たち社会人組はオルーロ行きの夜行列車に乗る、のだがオイ座席がマジでせめえよ……。そして真上にあるテレビがうるせえよ……。ストレスフルな列車は、さっさと寝てしまうことにする。


このウユニで知り合った旅行者たちは、大体が数ヶ月とか1年かけて世界や南米を周遊中の旅人で、休暇を利用した社会人組も旅慣れて余裕のある奴ばかりだった。つまり何が言いたいかというと、年齢や来歴は様々ながらも気持ちの良い奴らばかりで、すごく楽しかったし刺激にもなったということだ。俺は社会人になってからは、敢えてマイナーな辺境ばかり選んで旅しているし、どうしても短期旅行にならざるを得ないから、日本人旅行者と馴れ合うことは最近はあんまりなかったんだけど、このウユニの数日間は本当にいい経験が出来たと思っていて、それは彼らと一緒だったってことがひとつ大きな要因だったなぁと思う。



眠りに落ちながら、俺のまぶたの裏にうつっていたのは、雄大なウユニ塩湖の鏡面世界だ。