長い帰路17、18日
最後の夜を飲み過ごし、喧噪に包まれながら固いベッドに身をうずめる。明日はもうこの地を去らなければならない。そして深夜に空港に向かったK君、早朝にチャリの山下りに向かったA君、ふたりを見送って俺は誰もいないだだっ広い3人部屋で荷物をパッキングしている。 その後赴くままにラパスの町を散歩して。エルソラリオまわりは観光客向けの土産屋や、魔女通りと呼ばれる呪術に使われる薬や動物のミイラなんかが売っている通りがある。だが最終日という感慨があまりテンションを押し上げてくれない。特に夢のようにまだ脳裏に張り付いているウユニへの憧憬が俺の意識を遠くに飛ばす。 あ、そうそう。朝飯に食べたサルテーニャはあまりの旨さに衝撃を受けたな。これはそのうち作ってみよう。 昼前にエルアルト行きのミニバスをなんとかつかまえて空港へ。これからまた気の遠くなるような時間をかけて日本に帰るんだ。地球の真反対、高度3000m以上、俺たちの暮らす環境からは大きくかけ離れた土地での旅も、もう終わる。 いつかその地を踏もうと思いながらも躊躇していた南米の大地。やっと来ることができた。この旅で俺が踏みしめたのは、高度4000mの高原都市であり、歴史に散った伝説の空中遺跡であり、奇跡と空を映し出す鏡の大地だ。多くの出会いと風景に恵まれた南米ペルー・ボリビア旅行。一歩、また一歩と俺の足跡を残し、同時に俺の心にも記憶を刻み付ける。 たまらないだろ? |