オリャンタイタンボの町

空の近さと大地の広さを感じながら山道をコレクティーボは爆走する。とにかく驚くのは雲が低いことで、手を伸ばせば届きそうな……んなわけはないが、日本で見る雲ははるか頭上って感じだけど、今見えている雲は触ろうと思えば何とかなるんじゃないかと思わせるほどの近さだ。そんな雲を見ながらコレクティーボは爆走して高度を下げていく。ところどころのカーブにいくつも遺影が飾ってあるのは一切見なかったことにする。その間隔が異様に短いことも当然見なかったことにする。

マチュピチュ村は山深い非常に不便なところにあり、道路整備がされていないため、列車で向かうしか選択肢がない。そしてここぞとばかりにその路線を走る列車は要予約の高級列車なのだ。懐事情は苦しいが時間と体力に余裕のあるバックパッカーは、トレッキングの名目で線路沿いを一日かけて徒歩で向かったりもするのだが、そんな素敵な時間はとても俺にはない。

↑美しい高原風景。


見えてきた。こじんまりとしているが、とても綺麗な街だ。メキシコで見た、インカから旧スペインの建造物独特の茶けた風合いが懐かしい。大抵はクスコから一気に列車で村へと向かうため、オリャンタイタンボの町はそのままスルーされるのがオチなのだが、この町自体は川の侵食に合わせて建設されたインカの砦を今も残す穏やかな町で、すこぶる雰囲気がいい。列車まで比較的時間の余裕があったため、町をふらつきながら、生活用品を買ったりコーヒーを飲んだりしながらのんびりと列車を待つ。音楽かけて変なPV撮影してるし。おい、姉ちゃんあんま可愛くない上に目が泳いでるじゃん!ダメじゃん!

↑雰囲気ある町並み。

↑姉ちゃんやる気ねえ!


屋台で何気なく食べた鶏肉とじゃがいもの串焼きがうますぎ。ペルーは飯が美味いと聞いていたがいまひとつピンとこなかったんだよね。でもこの甘辛の味付けは日本人向けだね。

↑ペルーでは普通に醤油を使います。


さて、オリャンタからは90分の列車で夕刻無事到着。景色が綺麗で有名らしいが、ほとんど同乗者との会話と、あとはほとんど寝て過ごしてしまった。なにせ旅が始まってから、まだ寝ていないのだ。