別れ、そしてイスラーム地区へ 15,16日

ニッシーは昨日より別行動、高須と詩織も早朝旅立った。そしてアブディーン宮殿に向かう途中でヤナとも熱い抱擁の後、別れた。オレらのみになってしまった。正直ちょっと不安。でもぐずぐずしてらんない、今日はオールドカイロのイスラーム地区へ行くと決めているのだ。部屋をとろうと目星をつけた安宿へ。するとここでひとりの日本人がオレたちの前に現れた!「やぁ。」

奴はまがまがしきオーラを放っていた。通称ハゲ。30代中盤、その銀行員の笑顔の下はきっと暗殺者だ、間違いない。しかし奴も旅猛者だった。アジアはもうすべて制覇したと言っていた。更にその宿にはもう一人鈴木君という日本人がいて、彼はいい奴だった。いや、別にハゲもいい奴だったんだけどね。彼はもう明朝の便で日本に帰るところだったみたいで、色々と情報をくれた。こういう旅情報の交換もすごく新鮮だ。

さて、イスラム地区である。カイロという街は、古い街を新しく造り替えていった街ではなく、古い街を残したまま隣に新しい街を作っていったという少し特殊な造りをしている。そこで、歴史的価値のある建物がそのオールドカイロの方にはまだまだたくさん残っているのである。結果から言うと、オレはこの旅で一番良かったところはこのイスラム地区かもしれないな。威厳のある遺跡、文化財の山の中で人々が普通に生活をしている。ここは見世物ではなく、完全に街として生きているのだ。凄く感動した。

↑オールドカイロの一角。



歩きたい。

ホントは、イスラム地区の最奥にある目的地シタデルにはタクシーで行くのが妥当だ。歩くにはちょいと距離があるからだ。でも歩きたかったんだよな。歩けば歩くほどイスラム色が濃くなってくる。免疫のないオレには強烈だ。崩れた建物、見たこともないヤギ(?)、黙々と作業する男たち、笑顔で駆け回る子供たち、熱気があるリアルな生活観、本当に凄い。今までは本やテレビの中の世界でしかなかったものの中にいる。この街全体が放つオーラにしてやられた。カメラにおさまりきらないほどでかい中世の処刑門であったズウェーラ門を横切り、青タイルが鮮やかなブルーモスクへ。ここでは高めのバクシーシを要求されるものの、ミナレットからオールドカイロを一望できる。まさに絶景だ。

↑ズウェーラ門はでかすぎ。

そしてついにシタデルへ。中世アラブの英雄サラディンが対十字軍のために建設した要塞。こんな要塞だったら攻め切れんだろうなぁ。強大で威厳のある砦だ。ここはカイロ全体と遠くのピラミッドまで見えてしまうんだよ。そして、その中に渾然と立ちはだかるガーマ・ムハンマド・アリ。そのドーム状の外装もシャンデリアやランプで彩られた内装も派手なこと。凄い。エジプトの建築物ってひたすら雄大なんだよなぁー。余談だがここでは女にもてた。というか単に動物園的な感じで物珍しがられてただけかもしれんが・・。とにかく同世代くらいの女の子たちとお近づきになれましたとさ。

↑礼拝堂入口にて。


5歳くらいの少年が、盛んにカメラを撮りたがっていた。凄くかわいくて、愛嬌のある笑顔を向けてくる少年だ。言葉はまったくわからないけどカメラに興味津々で、きぐっさんは何枚も無駄にされてしまっていた。それもまたおもしろい・・んだけど最後に彼が発した「マニー」の言葉には凍りついた。あー何か切ないなあ。父親の真似とかしてるのかなぁ。

この日は、コフタというエジプト肉料理を食べました。食べてみたかったんだよね〜。ビールがすすむ!うまい。他にも調子にのっていろいろ頼んでしまったが、腹いっぱいで200円かぁ、安いよなー。明日はカイロ少しふらついて、その後はアスワンに移動だ。どんな街なんだろなぁー。