バカハーツ27日

早朝からワインで乾杯してるオレたち最強。こっちの日の出は遅いんだなぁ、8時を過ぎてもまだ暗い。不思議な感じだ。さー、今日はレンタカーでモンサンミッシェルまで行くぜ!4人でモンサンまでぶっ飛ばす、これって最高だよなぁ、凄く楽しみだ。心配なのは距離だね。おっぱい曰く東京〜長野くらい距離があるらしいからね、350km。まぁナビもあることだしなんとかなることでしょ。

駅がおしゃれだの言葉や仕草がかっけーだのワイワイしながら駅を乗り継ぎレンタカー会社ハーツに向かう。駅から出た瞬間にオレたちの目に飛び込んできたのは、茜色の朝焼けに染まる凱旋門!!「うぉーーー!!」テンションはマックス!!すげぇ!

↑こちらは新凱旋門

ハーツの姉ちゃんクソ足綺麗でかわいいし。あれは絶対オレを見てた。しかしここで事件が勃発!洞さんが姉ちゃんをレイプ・・・なわけはなく、GPS作動せず!オレたちガイコクジン、長野到達無理。するとハーツ連中がとんでもないことを言う。「もう一軒のハーツ行ってくれ」。オイ、放置ですか。

しょうがないので向かう。しかし慣れない左ハンドルに鬼の運転の荒さから、どんどん道を間違えるまさにこれは負のスパイラル。一回高速道路の入り口付近まで行き引き返したり、もうあせりまくり。パリはどこだ。30分で着くところを2時間以上かけやっとのことでハーツに到着!

車を換えてもらい出発!!・・が、GPS作動しねー!ありえねー。「30分したら動くと思う」「ボンネットに近づければ・・・」んなアホな・・、おまえプロだろ。もう仕方ないのでそのまんま出発。すでに昼過ぎですよ。



ノリで走るオレたち

今考えると無謀もいいとこなんだけど、オレたちそのまま「きっと行けるべ!」ってノリで向かっちゃったんだよね。ナビもなく勘を頼りに。動力源、それはテンションです!音楽聴きながら高速道路をビュンビュン飛ばす。フランスの運転は荒々しく最低でも100kmは出してないとガンガン煽られて追い抜かれていく。なんともまぁエキサイティング。途中パーキングにとても可愛いワンちゃん連れの夫婦が。でも親父の愛に反してワンちゃんまったく親父になついてなかった。

↑余裕のオレたち

山の方に入っているのか、その前に正確にモンサンに向かっているのかよくわからないが雪がちらついてきた。まぁ、フランス寒いからなぁ。しかし走っているとどんどん吹雪になっていく。・・・大丈夫か?オレたちノーマルタイヤですが。あんなに飛ばしていたフランスの車たちも皆一様に60kmくらいしか出していない。途中で濃霧に包まれオレたちのあせりも段々マックスに。すでに高速の外は白銀の世界。

↑余裕のないオレたち



レイプ

そしてついに道を間違える。一般道に出てしまう。タイヤが・・キュルキュルいっとる!やべぇー。雪ふつうに積もっとるし!慎重に慎重にとりあえずガソリンスタンドへ。給油をしなければならない。これはディーゼル車。軽油を入れろと散々言われているぜ。

とりあえずオレとマサはそばのスーパーに買出しに行く。水やらお菓子やらエロ本やら買い込む。スタンドに戻り「いいもん買ってきたぜ!」って、なんか空気違くね??エロ本出せないじゃん?どうした、おまえら。

「やべー間違えた・・・」

なんと、二台目はディーゼル車じゃなかった。洞さんは無理矢理にノズルを穴に差し込み無理矢理に軽油を入れてしまったのだ。無理矢理に。レイプホラサワ。しかしこれは説明のなかったハーツがわりいって!とは言ってもどうしようもない。どうする?



レッカーなオレたち

まぁとりあえずでかいスタンドが見つかるまでなんとか走ってもらって、そこで軽油抜いてもらおう、との意見に落ち着く。そして出発したはいいが、ブレーキの調子が鬼おかしい。ゴリゴリ押し返してくる。この時点で止まっておけば良かったんだが、雪のせいじゃね?って再出発。

高速に乗ってしまい、走ること数分。前方に渋滞がある。「おぉー事故だよー」「こんなとこで停まって最低じゃね?」と。するとマサ運転車、スピードを緩めずそのまま前方の車に突っ込みそうに!!洞「危ない危ない危ない危ない危ない危ない危ない!」キュルキュルキュル・・・・。ふぅ、間一髪。しかし!


マ「やべー、うごかねぇ。停まる」
全「ポカーン」


プスン

シーン・・・。


えぇぇぇえぇ!!?
オワタ・・・。


どうすればいい?この吹雪の中、外国人で言葉も通じずまた通信手段すら持たない。やばすぎる状況で車は高速道路のど真ん中で停まった。フランスの高速道路に渋滞を作ったのはオレたちでもあります。呆然とするオレたち。ハザードの音が虚しく響く。カッチカッチカッチ・・・しかしもしかして、前方に事故車があったってことでレスキュー隊がそこにはいるはずだ・・よな?これは今思っても本当に運が良かったんだが、前方に事故車がなかったら、オレたちはいきなり停車し後ろから突っ込まれて確実に死んでた。レスキュー隊がいてくれたことも運が良かった。不幸中の幸いってのはまさにこのことなんだよな。ある意味奇蹟。

レスキュー隊は手馴れたもんで、車の移動から、牽引までキビキビと手際よく行ってくれた。その間我々は高速道路の外をPAまで徒歩。落ち込んでいたかというと、とりあえず命の確保ができたこの頃はすでにそんなことはなく、無駄に高いテンションで「こんな経験ありえねぇけど絶対できねぇって!」とかいって笑っちゃってました。カスですね。

レッカー車にて一番近くの町まで車移動。真っ暗すぎてブレアウィッチみたいだな、とか話しながら。やがてガレージに到着。明日までに軽油を抜いてガソリンを入れなおしてやるので、とりあえず今日はここにあるゲストハウスに泊まれ、とのこと。まぁ、しゃーないよなぁ。モンサンミッシェルはとてもとても無理だよなぁ。はー。

確かにとんでもないことをしちまった。やろうと思ってできる経験ではない。反省も勿論している。しかし、ひとつ言えることは、オレたちの友情はレッカーにつながれた紐のように堅く結ばれたことだろう。

↑レッカー待ちのPA