イレギュラー宿

護送車のような金網で仕切られた荷台に乗り、村のゲストハウスに連れていってもらう。「行き先留置場なんじゃね?」「ありえる、飯も出るし暖もとれるしな・・・」という会話に反して到着するとそこは予想外にすばらしい宿であった。温かい夫婦の営む人里離れたゲストハウス。ここに泊まれたオレたちは既に勝ち組。

「お腹空いてるでしょ?」と、奥さんの手料理を皆で食べる。簡素な食事なんだけど、これが旨いのなんのって。身も心も温まるよ!料理ってのは味だけじゃないんだよな。親父が「特別な酒だ」といって出してくれた鬼まずい林檎酒も、二本丸々空けてしまった。そう、味じゃないんだよな。そこに思いがあると旨いんだな。お互いに脆弱な英語ではあったが、いろいろ会話をして楽しい時間を過ごす。ここは人口250人しかいない小さな小さな村なんだってさ。すげー、こんなところにいるなんてマジでロマンだよな。

しこたま飲んで、部屋戻って、「シャワー浴びたら集合な〜」とか言っときながら全員そのまま大爆睡。「昨日は寝てて悪い」「オレも寝てた」「オレも」「オレも」。疲れてたんだな。



貴重じゃー28日

朝起きるとそこは白銀の世界。見渡す限りが真っ白な世界。何でこんなところにいるんだ・・・と一瞬眩暈がするほど白い。はー、オレたちはとんでもないところに来てたんだなぁ。

朝飯をご馳走になり、暖炉のある部屋でまどろんでいると、おばさんが「卵の回収に行ってくるわ」みたいなことを言っている。是非手伝わせてくださいということで、ゲストハウスのすぐ隣にある養鶏場へ。そこにはおびただしい数の鶏、鶏、鶏!!卵の回収作業なんて日本ですらやったことないよな〜、鳥インフルエンザになってるかもな〜、とか話ながら貴重な経験を積む。俄然テンションの上がったオレたちは、恒例の雪遊びですって。雪合戦とか雪だるまとかやらないとここにいる意味はないぜ!!

↑産みたての卵はあったかいんだな

↑お世話になったゲストハウスです



さぁ!パリへ・・

車が直ったとの通達を受けて、このゲストハウスともおさらば。うーん、一晩だけなのにとても名残惜しいよ。マサが持ってきてた雛祭の色紙に寄せ書きをしてプレゼント。サヨナラ!!

ガレージに向かう途中の景色も真っ白。「北の国からかよ・・・」。レストランで安いのにうまいコース料理を食べて仕上げを待つ。10ユーロなのに、サラダ、ラムチョップ、ケーキ、コーヒー、チーズと豪華で旨い!しかしここで蝿にたかられまくる洞さんはムシュームッシュ(蝿)の称号を与えられる。

車を受け取り、修理代ギャー!!まぁ、しかししょうがない。それだけのことをしたし、何よりもそれ以上の経験をした。・・・というかドア壊れてて開かないんですけど。これは・・・ハーツには黙っていよう・・・。チーン。

さて、この雪の中あと100kmまで迫ったモンサンミッシェル。しかし雪道は危ないよな、という話でパリに戻ることに。こうしてオレたちは250kmもの道のりをまたパリに引き返すのであった・・・。

↑村風景です。シーンとしてるのな



エッフェルと黒人

パリ周辺では迷ったものの、なんとかパリ突入!帰ってきたぜー。パリの夜の街並みを走る。半端ねー!夜景神!!そうこうしていると、エッフェル塔に到着する。妙な日本語を使ってお土産を売りに来るのはもちろん黒人。うーむ、まぁリアルですな。フランスは本当に人種差別のある国なんだなぁというのをところどころで感じたけど、これもそんな一瞬。煌びやかに閃光を発するエッフェル塔を前から横から下から見て、家路につくのです。いやー、とんでもない経験をしてしまったけど、このドライブ最高でした!

↑あこがれのエッフェル塔だぜ〜