車で五合目まで

まっつんと後輩の彩を車に乗せ、御殿場ICで降りる。時間は夜の8時だ。そう、今日これからオレたちは夜中から明け方にかけて富士山を登頂する。楽しみだ。まずは腹ごしらえ!ビッグボーイでハンバーグを。オレとまっつんが頼んだペッパーハンバーグ、うまいんだけど腹にイヤな感じでもたれていきなり失敗感を煽る。これから激烈なる運動をするというのにもたれちゃいかんぜよ。

真っ暗なうえに濃霧に包まれた富士樹海の中を一台ひた走る。正直怖ぇ!まっつんはびびりまくっていた。しかし無事富士宮口の五合目に到達することができた。五合目なんだけどだいぶ寒い。暗くてよくわからないけど、雲もすでに眼下に広がっている感じだ。さすがに7月平日ということで人は少なめ。ふと、空を見上げると満天の星空。まるで星のシャワーを浴びているのかと思うほどの数、夜空に吸い込まれそうだ。この時点でテンションは皆最高潮!これだけのためだとしても来る甲斐はあるよな!!ってほど美しい星空でした。



まずは六合目

防寒具や水、飲む酸素なんかをリュックに入れ、ヘッドライトを点けて、少し体を慣らして、さぁ出発すんべ!暗いのもあったが、いきなり道を間違え迷う。大丈夫か!?オレら。しかも今だから言う、スタート直後にしてすでに足がきてた。しかしカッコ悪くてしそんなことは言えるはずがない。まぁ流れにのってしまえばなんとかなるさ。

富士山ってのは火山なんだなーってのを改めて認識させられる。火山岩や砂利がごろごろしていて、火星みたいだ。六合目にあった店で優しいお姉さんと話す。今日は風も少なくマシな方だということ。そりゃビギナーですからきつい天候だったら萎えなわけですよ。帰ってきて絶対顔出します!と約束して出発。ま、これから七、八、九合目って先は長いわ〜。

↑踏みしめていきましょ。



長い長い七合目

うーん、ぶっちゃけ・・・しんどい。真っ暗な中ヘッドライトの灯りを頼りに、風に煽られながら一歩一歩登っていく。砂利ですべる道が多い。あぁー、きついんだなぁ富士山って!舐めてたわ。運動してないからなぁ、足が悲鳴をあげとるわ。一歩、一歩だ。しんどい。しかし3人とも文句ひとつ言わず登っていく。文句を言うとその時点で「まぁここらでいっか」となりそうな気がしてたんだ。でもね、たまに休憩を入れて「あぁーしんど!!」とか言いながら寝っころがって水一口飲んでさ、空を見上げると満天の星空なんだ。この瞬間は最強だった。

また、「飲む酸素」ってのが良かったかも。水分と酸素の同時補給。それが起因してるのかどうかは知らんけど、ことオレに関しては、高山病の類にまったくかからなかった。ずっと快調だった。強いて言えばペッパーもたれがあって腹大丈夫かな…てのはあったけど結局平気だったしね。

六合目から道はだいぶ険しくなりかなり本格化してきて、足腰的にも心配になってくるのだが、萎えるのは七合目の長さね。六合目から次の新七合目までかなりの距離があるのだが、そこから次は八合目と見せかけて元祖七合目なるものがある。なんかガックリ来てちっとうざい。そして寒い。半袖で登ってきた外人さん半端ないが、さすがに新七合目の山小屋の前で「何時に開くの?入れないの?」と聞いてきた。夜中だし入れねーんだよな。。足きついけど、動いてないと寒いし眠いし登るしかねー!オレは出発の度に「勝負だ伸太郎!シャー!かまえ!ベンベンベベベ…」と金八ネタで自分を奮い起こしていた。

↑元祖七合目のベンチ。