鬼の七合目〜八合目 会話もなくなってきた。寒さもきつくなってきた。足腰も悲鳴をあげまくっている。オレの体力がないのと山登り慣れてないのも勿論そうだが、これはホントにきっつい。もう流れとリズムで歩いているようなもんだ。三人ともお互いが死にそうになってるのをわかってる。でも言わない。言うと馴れ合いになって下山しかねないからだ。もう少しで八合目。とりあえず、八合目に行こう。とりあえずたどり着こう。山小屋の灯りが近づいてくるんだけど、こういうのって、見えてきてからが長いんだよなー。気合だ気合! 足をひきずりひきずりやっと八合目の山小屋に到着!!あぁー、しんど。。。椅子座りながらしばしグッタリ。徹夜行程なんで、眠くなってくる。寝たらもう上に行く気力は湧いてこねえぞ、寝たら駄目だ!寝たら死ぬ。雪山遭難者の気持ちが少しわかった気がした。ところで、山でチョコレートはいい、ってよく聞くでしょ。あれホントね。オレはチョコレート嫌いで普段は全然食べないんだけど、おいしかった。甘みが体に広がっていく感覚が凄くいいのね。 ↑八合目山小屋。トイレがハイテクだった。 地獄の八合目〜九合目 なんてーかさ、ここで読んでるだけだと、十行位読めば上に登っていってるような感覚だけど、実際の現場は鬼だったね。岩石と砂利と砂嵐と暴風の中を何時間も足ひきずって登ってるんだからな。ま、オレの体力がショボンすぎるってのもあるんだけど。特にこの八合〜九合は一番きつい場所だった気がする。風に煽られすべり落ちそうになることもしばしば。しかし頂上は近いんだ!がんばれオレたち。 九合目の山小屋はうれしいことに開放されていて中に入ることができた。これは本当に助かった。中はストーブが焚いてあり暖かかった。そこで宿泊客たちと少し談笑する。頂上が近いんだなぁというのを実感する。よし、あとひと踏ん張りだ!ここまで来たらもう意地でも頂上行くっきゃねぇ。と、ここで一人の猛者を発見。年は同じくらいで彼女連れなんだが、なんと彼、わらじ履いとります。WARAJI。このクソ寒い中、素足にわらじですか!?オマエは修行僧か。ありえん。 ↑九合目山小屋「萬年雪」 |