もう少しで頂上だ!

オレはチョコレートのツイストパンを持ってきてたんだけど、これは大正解だったかもしれない。3個くらい持ってればよかったな。うまいし口に入れやすいし腹にもたれないが膨れはするし。さぁ、九合五勺目の山小屋を目指して登る!ここからはひとつひとつの距離は今までと比べたら短い方だ。ここまで来たら引き返すのも億劫だし、もう意地の勝負だ!登ったる、頂上行ったる。

九合五勺目の山小屋に到着、すぐ頂上に向けて出発。朝が近いのがわかる。向こうの空がなんとなく明るくなってきている。そして何度も言うが足がやばい。気を抜くとガクッと足が折れて倒れこんでしまいそうだ。風と霧も頂上に向かうにつれかなり勢いが増してオレたちの行く手を阻む。道を示すためのロープをたぐりながら一歩一歩登るしかないんだ。しかしもう頂上は見えている。行くしかないのだ。

↑鳥居。荒ぶる神がいるのかもしれない。



到着!!嵐か!?

鳥居をくぐり、「富士は日本一の山」とか書いてある看板を通り過ぎる。当たり前じゃボケェ、と弱々しく心の中で毒づく。わかった、わかったから頂上に着かせてくれ。そしてついに、頂上に到着!!天気は…激烈に悪い。御来光どころじゃないね実際。霧が凄い、朝だというのに視界をさえぎるほどの霧。そして立っていると普通に吹き飛ばされるほどの暴風。まぁ雨じゃないだけマシなのかな。しかし登頂した達成感は半端じゃない!!よく登ったなぁー、がっしり握手!の余裕もないみたいだ皆。

頂上にある山小屋の中に入ると、そこに遭難した死体が転がっているのかと一瞬間違える。違う、これは山頂まで登りきった猛者たちだ。皆死んだように転がっている。オレらも達成感と疲れからか、眠気が一気に襲ってきて眠りに入りました。小屋の中にいるってだけでこれだけの幸せを感じるなんてなぁ…オヤスミ。