おもちゃのようなイアの町1日
朝焼けを見るつもりで朝7時くらいに散歩。夕焼けもいいがオレは朝焼けも大好きだ。夜から朝へとバトンタッチするその一瞬の芸術だよな。この後に各々の一日が始まるというのに、その全ての干渉から全く関与されていないような独立したこの時間帯に神秘性を感じるんだ。朝焼けが建物を橙に照らし暖かみを増してゆく。 昼過ぎにイアの町にバスで向かう。30分ほど揺られて、島の北端に位置するその町に到着する。そこには、フィラや他のサントリーニ景観とは比べものにならないほど夢のような町があった。 なんだここ・・・絵本の中だけにしてくれ、こんなメルヘンは。 ↑恋人と来るとこだねここは。 幸せな二人 石畳でさえ青に統一されてるもんな。ホント、ロマンチックですね!この白と青は。なんだかスクエアの教会前が騒がしい。何?…おぉ!結婚式だ!!イアの町で結婚式かぁー、なんてセンスのある二人なんだ!乙すぎる。やはりわかってる奴らはわかってるね。めでたいわ!! ↑映画のワンシーンみたい。花嫁さん綺麗でした。 不幸せな天候 何時間でもいたい。しかししばらくすると雲行きが怪しくなってきてとうとう降り出してきてしまう。えぇ、雨?今日は夕陽どころじゃないなぁ。バス停で雨宿り、雨はどんどん激しさを増し、もはや暴風雨と呼んでも差支えが無いほどに。こんなに降ることってあるのかー! ホテル近くでバスを降りタベルナに入る。あぁびしょ濡れだよ。とりあえず腹減ったわ。今日は酒でも飲んでガッツリ食うかなぁて気分。ギリシャの伝統料理のムサカとスタフドトマトってのを喰らう。ムサカはフワフワしたラザニアのような料理。スタフドトマトは、トマトをライス詰めして焼いたもの。量は共に豪快。気合で喰らう。最高に旨かったけど吐きそう…。 ホールを切り盛りしてるおっちゃんがかっけぇ。スタイリッシュでお洒落で、笑顔がかっこよくて親切。手が空いたら客の前で堂々と一服してるのも熱い。日本でそれしたらクビだな、と思ったけど、ふとそれって別にいいじゃんと。むしろ合間にラフなとこ見せてくれてたほうがオレとしてはうれしいんだよな。 大晴天2日 勝ち組!大晴天!!今日もイアに行こう。またあの絵本の世界を開こう。昼間っからビール片手にふらふらして、陽を浴びながら風に身をまかせて。白と青のコントラストが目にも涼しい。こういうのを「愉しむ」っていうのかもしれないな。 部屋に戻ると、隣の部屋から喘ぎ声が聞こえる。あのフィリピーナカップルだ。昼間からお盛んなこった。しかし興奮。そういや仲良くなったギリシャ人の子から、 「どうして一人なの?女と来ればいいのに」 と一度言われたな。「一人で旅したかったから」というのも、どうも要領を得ない感じだった。確かにこの島で欧米の人は、カップルや友人、家族が圧倒的に多く一人旅はあまり見ない。結局、 「オレの周りの女は旅があんま好きじゃないのかもね」 曖昧な返事になっちゃったんだよな。 超勝ち組 おとといも昨日も、夕焼けを見ることができなかった。もし今日も逃すようだったらサントリーニ再来を考えなければならない。それほどに見たい。 イア到着、やはり違う。水色や青の映え具合が昨日よりはるかに高い。日差しが青を一層引き立てているのだ。本当に今日晴れて良かったなぁ。 夕刻に近づくにつれ、段々と差し色が橙になってゆく。町を見渡せる場所で座して眺める。白、青に赤橙が加わり、幻想的な風景が目に焼きついてゆく。メルヘンの童話では、主人公が不思議な世界で暮らしたのも束の間、現実に帰る、または夢であった、という結末が多い。本当にこのままフッとこの風景が消えてしまうんじゃないか、夢から覚めてしまうんじゃないか、ってくらいに幻想的だった。これは自然と人口とが織り成す究極の芸術美だ。 ↑そして町は夜の闇に包まれていくのである…。 乾杯! 「日本の方ですか?」 と声をかけられる。見るとオサレで美人な女の子だ。彼女はカナちゃん、女一人旅でギリシャの島巡り。あちぃ。オレと同じ大学4年で一浪でタメ。しかも来期からは同じ出版界に就職、そして町田在住で近い。共通の友人がいたりして完全に意気投合。フィラのいい感じのレストランで乾杯!うーん、いい夜だ。 今日の夕陽を見たオレたちは完全勝ち組だよな!ってことで落ち着きました。 |