イオアニナ経由カカビア行き26日
冷え込んだ朝を日差しが暖める中、国境近くの街イオアニナ行きのバスは出発した。乗客の中に日本人老夫婦のバックパッカーがいた。数ヶ月かけてヨーロッパを周るんだと言っていた。仕事をやめ、子供も皆一人立ちし、こうやって奥さんと2人でバックパッカーをするなんて格好いいよな。 ピンドス山脈を越えていくため、険しい山道を走る。山の景色はいつ見ても楽しいな。しかし予想外の悪路、朝食べたチーズのたっぷり入ったパンが響いてくる。やべ、気持ち悪い。。。 休憩地点で胃の中を戻すとかなり楽になったわー。やばかった。そうこうしていると、山道から突然視界が開け、巨大な湖が現れる。これがイオアニナ湖だな。意外と時間かかったな。 街に到着し、すぐ国境線カカビア行きのバスチケットをとり、時間を置かずにすぐ出発!このバスに乗っているのはほぼ全員がアルバニア人なのかな。1時間ほど山道を走り到着。ここに国境線があるんだな。 ↑イオアニナ湖。向こうには街が。 陸路国境越え オレは一回の旅で、いろんな国を周遊するスタイルよりも、じっくりその国を周るスタイルの方を好むため、陸路の国境越えはこれが初めて。国を自分の足でまたぐんだもんな。ちょっとドキドキするぜ。 しかし係の者に、 「ダメダメ、通れないよ」 え!?嘘!そんなバカな・・・。ここまで来て引き返すのなんて嫌だぜ。 「いや、入れるはずなんだ。オレは日本人なんだけど多分入れる」 根拠はどこにもありません。アルバニアは10年前まで鎖国をしていたこともあり少し事情のある国なので、もしかしたら日本人は入ることができないのかも・・・不安になってきた。 「ちょっと待ってろ」 と彼はファイルを取り出してきた。どうやら、入国可能な国のリストらしい。ちょっと覗き込むと「こんだけしかないの?」ってくらい少ない。でも、ありましたよJPNの文字と国旗が。良かったー。 ポンポンとスタンプを押され10ユーロ払うと、あっけなく完了。えー、と。国境越え終わり?あっけねー!!陸路の国境越えは思った以上に味気なく終わったのであった。 ↑アルバニア側から見たギリシャ入出国管理局。 BARの仲間達 バスはないな・・・タクシーか。乗り込み走り出す、行き先はギロカステルだ。景色が雄大だ。ところどころに戦争用トーチカがあったり崩れたままの建物がある部分から、この国の途上国具合が感じられる。 軍人の如きガタイの良さのタクシー運転手、彼の名はシェラ。こんなんに脅されでもしたら間違いなく勝てない。アルバニアは7年前にネズミ講事件が大流行し、国民の実に7割もの人間が破産するという、ありえないというかアホというか、そんな国である。しかしその混乱期の際、武器が大量に市場に流れ込んだため治安は今もかなり悪いとされているのだ。かつて国民ほとんどに行き渡る量の銃器を保有する国民皆兵政策をとっていたため武器流通が治安に陰を落としているアルバニアなのです。 一般道を120kmで走る彼、突然「オイお前、ビールは飲めるか?」と聞いてくる。うなずくと、いきなり進路を変えて一軒のバーに車を停める。まさか・・入国早々いきなり来たのか?脅迫が。や、やべぇって。 しかし取り越し苦労でした。向かったのは彼の友人が経営してるお店。美術教師とその美人妹さんが経営しているバー。仲間たちが昼間っからビール飲んで話している。日本人がアルバニアに来ることがやはり珍しいらしく、仲間たちは興味津々いろいろ話しかけてくる。だからシェラもここに連れてきたんだろうな。おごってくれたし。 「TOKYO?どこだそれは」 「日本は英語が母国語なのか?」 他の国なら決して聞かれないような内容だ。そして少し驚いたのはこの国イスラム国なんだね。7割はイスラム教らしい。おもしろい。アルバニアの人は気さくで人懐っこい、気持ちいいぞ。 ↑今まで見てこなかったタイプの山だ。 ギロカステル旧市街 バーで別れを告げまたしばらく走ると、ギロカステルに到着。旧市街の方まで行ってもらう。その町並みを見てオレはテンションが上がる上がる。急な斜面に沿って建てられた石造りの家、屋根。石畳の道。立ちはだかるギロカステル城。これは凄い。中世の町みたいだ。 ↑急すぎるため歩くと鬼疲れる。 |