朝の風景25日
宵闇の名残惜しさが残る早朝、寺の鐘が鳴り響く。夜明けを告げる鐘が鳴る。朝靄に包まれたルアンパバンの町を、淡紅色の袈裟を着た修行僧が列を為す。厳かさを醸す老人から年端もいかない少年まで。年齢関係なく、黙々と托鉢のために並ぶ彼らの姿は、町を拓く光の導線のようだ。 ここルアンパバンの托鉢風景は、世界でも類を見ないほど大規模に、また粛々と行われる。観光都市としてそれなりに名を馳せるようになった今でも変わらず続けられるこの托鉢風景は世界中の旅行者を惹きつけてやまない。青さを増していく空と、徐々に気温を上げる街にその橙はよく映える。 ↑色鮮やかな袈裟。 観光地は良くも悪くも旅行者が多い。そしてマナーに物申したくなるような旅行者も多い。どこの国とは言わないが、托鉢僧の進行を妨げてまでして撮る写真に意味があるのだろうかと思う。どんなにいい構図で撮れたとしても写真としての格が落ちていることに気付かないのだろうか、などと考えながらそんな旅行者たちをぼんやりと眺める。 クンプ! メコン川沿いで朝からチャーハン、通称アサチャーをしていると、韓国人旅行者たちと仲良くなる。謎に親日な彼らと朝からビール飲みながら談笑、情報交換し、僕が次に行こうかどうか迷っていた町、バンビエンの話を聞く。ルアンパバン出発を早めればバンビエンでの滞在時間が確保できる。このルートは正直迷っていたのだが、「バンビエンはルアンパバンより全然良かった」という話を聞き、行くことを決めた。余談だが、ドキュメンタリー番組の撮影中という韓国放送?のクルー一行もその場におり、恐らくレポーターであろう女の子たちが異常にかわいくてガン見してしまった。 ↑良い天気だ。 散策 楽しみにしていた料理のひとつ、北部名物のカオ・ソーイでも食べることにする。タイにもカオ・ソーイという料理があるのだが、これはイエローカレーのスープをベースとしたカレーラーメンといった様相であった。ラオスのカオ・ソーイは、辛味肉味噌を乗せたフー、といえるだろう。暑気に包まれ汗をかきながら食べる辛いフーもオツなものである。 ↑付け合せの野菜との相性も完璧だ。 基本的に街はおとなしく、ゆっくり過ごす仏教都市というイメージである。観光整備もよくされているので食事や休憩場所に困ることも無いだろうから、安旅行も、ちょっとお金をかける優雅な旅行にも両輪でいける。街のいたるところには寺院が建っており、僧や参拝者の姿もちらほらと見られる。今まで訪れた街だと、タイのチェンマイが非常に近い雰囲気を持っている。スリランカのキャンディや、日本で小京都を冠するような街も近いかもしれない。 ↑高台からメコンを見下ろす。 夜、屋台での夕飯を済ませ、安価で飲める新鮮なフルーツシェイクを飲みつつ暗くなった街を歩くと、昨夜はラオねぷたのために使われていたメインストリートいっぱいにナイトマーケットが展開していた。恐らくこれが普段の風景なのだろう。その数たるや、歩けど歩けど露店が尽きない。これだけ多いと稼ぎもたいしたものにはならないだろうと切ない気持ちになりつつ、小物類をいくつか土産用に購入することにした。ひとつひとつが交渉となるため、これもまた楽しい時間なのである。 ↑これが延々と続く。 |