何もしないことを決める27日

鳥のさえずり、牛の鳴き声、はりつめた空気、朝のナムソン川の風景は最高に美しい。昨晩の喧騒が嘘のようである。この差に満ちた町がここバンビエンなのである。今日は実に気持ちが良いので、何の目的も持たず何もしないことにしようと思う。

↑朝靄のナムソン川。

↑おなじみのラオサンドである。


ナムソン川沿いのカフェにて寝転がりながら読書をし、空を仰ぎ、新鮮なフルーツジュースを飲み、川を眺め、うつらうつらとし、また空を仰ぐ。そんな一日がたまらなく愛おしい。メニューは欧米人好みのメニューだし、値段もこころなしか高い。だがここはパーティータウンとして観光で生計を立てている町、そこにどうこう文句を言う筋合いはないだろう。なんといってもこの風と景色は本物だ。

↑ここで何時間でも時間をつぶせる。

↑穏やかさに満ちている。
↑左下にはマジックマッシュルームの絵が…。



滑走路の町

小さい町で15分もあれば端から端まで歩けてしまう。この町には景勝地、パーティータウンに加えて、実はもうひとつ興味深い顔がある。ここバンビエンは、70年代のラオス内戦時、アメリカ空軍の拠点となった町なのだ。ゆえに町の東には、こじんまりとした町とはそぐわない巨大な米軍飛行場跡が今も残る。ただ今もそういった使われた方がしているかというと全くそんなことはなく、その荒涼としたアスファルトは、市民の駐車場や通学路として利用されている。

↑ただただ広い。

↑陽が沈む……。


町をふらふらと歩き、疲れたら飯を食いビールを飲み、夜になる。こういう生活をたまにすると本当に自分がダメな方に突っ走っていってしまいそうで怖くなってくる。しかし、なんと欧米ナイズドされたメインストリートであろうか。客はすべて欧米人の集団、アメリカのビルボードチャートの曲がひっきりなしに爆音でかかる。メニューはピザとパスタがメインだ。コーラの消費量も凄まじいだろう。美しく静かな町と、この超絶アメリカナイズドな町のギャップは少なからず僕を動揺させたが、これにてこの町の経済がもっていることも一方で確かなのである。

夜中、人間の大敵、Gが大発生する。奴らを潰えど潰えど沸いてくる。ルアンパバンの韓国人旅行者たちに「安くて綺麗で最高だ」と絶賛された宿だったため選んでみたわけだが、とんだ誤算である。確かに安いが……、国を越えた衛生感覚の違いを垣間見たラオス最後の夜であった。