ラオサンドと街歩き23日

部屋の綺麗さの割には値段も安く、ラオスの物価事情はおそらく日本の5分の1以下といったところだろう。社会人にもなって所持金に苦慮しているわけでもないのだが、いかに安くあげるかを考えてしまうのが面白い。自分の中のスイッチが切り替わっているのだ。

ラオスはかつてフランス領であったため、その残滓がいたるところに残る。建築文化であり、言語文化であり、そして食文化だ。ラオス独特のサンドイッチもそれである。カオ・チー・サイ・クアンという。フランスパンにハムや野菜、パクチーなどを挟み、チリと魚醤ベースのタレを絡めたラオス定番の朝食メニューだ。これがまた旨いのなんのって、アジアでの朝を僕は舌に閉じ込める。

↑カオ・チー・サイ・クアン


ビエンチャン滞在中に何度か利用したこの定食屋は、一家なのかバイトなのかわからないが、中高生くらいの女の子たちで切り盛りしている元気のいい店でとても好印象である。それが僕の助平体質なのか、それとも純粋に味がよかったのか今となっては定かではないけれど。

↑もちろん味である。



メコンの流れ

突出して栄える都市は水源のそばにあるというのは歴史学の鉄則である。首都ビエンチャンも例外ではなく、メコン川が街のすぐ南を流れる。といっても特段美しいものではなく、濁った大河がゆったりと流れていた。河岸はコンクリート漬けにするための大規模工事中であり、昔地理で勉強した、かのメコンリバーをはじめて眺めるというに風情も何もあったものではない。だが、それもまた都市特有の風景なのだ。

↑メコン川。


川に沿って大規模な露店群だ。どうやら昨日ドライバーが言っていたお祭りというのは本当のようだ。聞いてみれば、どうやらこの時期は国中の坊主が修行から解放される特別な時期なのだそうで、国をあげてのお祭り状態になっているようだ。僕はこういう祭事の時期に偶然その土地を旅することが多く、これまでもインドのホーリー、メキシコの十月祭など国をあげての大規模な祭の時期に何度かドンピシャリで旅をしてきたのだが、今回も同様の経験ができそうな気がする。

↑昼から大賑わい。

↑鳥焼き屋台。手前は幼虫の丸揚げ。



ワット寄る

地理的な関係からか、ラオス語はほとんどタイ語に近いという。かつてタイを旅行したことがあるため、食事のメニューや看板表記など、なんとなく意味のわかるものがある。ワット〜は寺院のことである。ラオスの寺院はタイ北部チェンマイで見た寺院に比較的近い気がする。金や朱を用いた派手目の色使いと傾斜のある屋根、背の高く見える建築様式だ。

↑ワット・シーサケート。


対して、ビエンチャンのシンボルとして名を馳せるタート・ルアンは、タイではあまり見られなかったタイプの建築である。行ったことはないがミャンマーの写真で似たようなものを見たことがある。タート・ルアンはビエンチャン中心部からバイクタクシーで15分程かけたところにそびえ立っている。最初徒歩で行こうとして歩けど歩けど辿り着かず、宿の主人の「歩いて30分かからないわ」の言葉を呪っていたがなんてことはない、僕は日本の企業戦士である。金払ってバイクタクシーに乗るよ。

↑仏陀の骨が納められているため格が高い。