ガイコツの妙15日

相変わらず天気良し。外歩きも格別の気持ちよさなり!外はボール遊びに夢中な子供たちや、井戸端会議に忙しい女たち、暇そうにしている男たち、平和な風景。迷路のように入り組んだ町をあてもなくさまよう。ちょっとは区画整理しようよ、全然道わかんねえよ。

↑オサレカフェ


グアナファトでは民芸品の店をたくさん見て回ったな。メキシコの定番土産でガイコツのグッズがある。メキシコには「死者の日」という祭があるのだが、まあこれは日本でいう「お盆」のようなもの。死者を弔うイベントということになるのだが、日本はご先祖様を丁重にもてなしお迎えするのに対して、メキシコはとにかく明るく死者も生者も一緒に楽しもう!というラテンのノリ。なもんで、日本人からすると罰あたりに感じてしまうようだが、こうしてデフォルメしたガイコツグッズというのが定番品となり、そして国を代表する民芸品となってしまっているのだ。

↑ノリが軽すぎてウケるわー



伝説の小道

山の斜面に建てられた町なので、家屋同士の間隔が異常に狭い道なんかもある。そんな密接した家屋の建ち並ぶ小道で、グアナファトの観光名所として有名な小道がある。犬猿の仲だった隣接した2軒のそれぞれの息子と娘が恋に堕ち、夜な夜な……というなんという幼馴染属性。

↑なんというエロ本でしょう


店先で鶏の丸焼きを売っている地元の名店「ラ・カレータ」に入るべ。鶏肉はpollo、ポジョだな。店先で20羽分くらいの鶏を串刺しにしてグルグルまわしてあぶっているのだが、こんなもん見たら入らないわけにはいかないよな。トルティージャに鶏肉挟んでサルサかけーる。最高ーーー!!注文も1羽まるごとから四分の一羽まで幅広く対応。食いしん坊将軍の僕ですら二分の一羽で腹いっぱいなのに、けっこういるんだよな、1羽まるごとの人が。

↑ごっつぁんです!



にぎわう芸術街

今メキシコの日の入りは8時くらいなので、お茶をしていても、公園でまどろんでいても、なかなか夜を迎えない。このゆったりした感じがたまらなくいいよな。夜はタコスたらふく食べて再度散策。昨日と同じように町のいたるところでパフォーマンスが行われている。広場の特設会場では、おおがかりなセットを組んでの演劇なんかも行っていた。ちょっと名の知れた劇団か何かなのだろうか、凄い人だかりだ。でも言葉がわからないから全くストーリーわかんね。

↑海賊のショーだということはわかった

↑タコス屋のせがれは親父より働き者


もうとっくに日付は変わっている。しかし相変わらず眠らない町だ。酒場では、クラブでは、広場では、人々が笑って音楽と会話を楽しんでいる。こういう幸せでゴキゲンな空気感は大好きだ。でも僕は明日、いや正確にいうと今日、この町を経つ。賑わう町を去るのはやはりどこか後ろ髪を引かれる思いがあるものだ。



大都市メキシコシティへ16日

出掛けにフロントの予約表を見ると、すべての部屋が金土日ぎっしり埋まっていた。セルバンティーノ音楽祭、今日から週末にかけて最高潮の盛り上がりを見せるのだろう。朝から明らかに人の流入が多く、この狭い町に車がひしめきあっている。僕は逆に町を出る。なかなかタクシーがつかまらなかったが、日本人が好きだという理由でタクシーを譲ってくれたおばちゃんに感謝しつつバスターミナルへ向かう。日本人万歳。

さて、グアダラハラ、サンミゲル・デ・アジェンデ、グアナファト、と中央コロニアル都市の名所を巡ってきたが、次はいよいよ首都メキシコシティ。世界トップクラスの都市GDPを誇り、都市圏人口も東京に次いで世界2位という文字通りの大都市だ。バスステーションにてETSのバスに乗る。バス会社もピンキリなんだけど、このETSというバス会社、相当快適。サンドイッチも飲み物もついてくる。映画も見れる。チケット渡すお姉さんも美人(でも添乗員というわけじゃない)。バス網が圧倒的に発達しているメキシコにとってETSに就職するのはかなりのエリートとみた。

↑でも映画がまたつまんねーの


4時間ほどひた走り、バスターミナル到着。ターミナルでけえ!!これはメキシコの要衝だわ。早速タクってソカロへ向かうが、明らかに今までの街とは規模の桁が違う。さすが人口2000万都市だ。渋滞気味だったってのもあるが、1時間くらいソカロまでかかったからね。

印象としては、いい意味でカオスな雰囲気だね。前述の通り物価もそれほど安いわけではないし、整っているところは本当にしっかりしているので、心の底から途上国って感じではない。でも今まで通ってきた歴史地区は保全活動がされているエリアでもあるため、やっぱり綺麗だったよね。比べてシティは街全体が保全対象になっているってわけではないため、荒れているところは大荒れだし、おかしい崩れ方をしている建物もたくさんある。首都特有の"混沌さ"はしっかり兼ね揃えているんだな。カイロやデリーとまではいかないけど、バンコクとかコロンボなんかが近い印象かな。

↑すっかり夜に

↑メキシコ版セブンイレブン。すんごく助かる


ソカロには、メキシコすべての教会の総本山ともいうべきメトロポリタンカテドラル、そして大宮殿。派手だなあ。ソカロ周辺の通りは、ヨーロッパのどこぞの都市です、と言われても信じてしまうような外観、建造物は完全に欧風の趣きだ。ちょっと離れると原色塗りのメキシコらしい建物が増えてくるんだけどね。そんな中心地から歩いて数分のところに手軽な安宿を見つけて荷を解く。2000円弱にして、日本のビジネスホテルかの如く綺麗。ホットシャワーも超快適。この辺の宿相場の割には大当たりの宿を引いたぜ!

↑ソカロも眺められる高クオリティ部屋


食堂で夕飯を食い、ビール飲みながら部屋で音楽番組を見る。この国でもヒットチャート上位はヒップホップ勢独占だ。どの国も変わらんのね……。