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宿替えるぜ
泊まっている宿の前の通りを歩いていると、安宿がたくさんありそうだなあということで、値段や部屋などをいくつかまわって確認した結果、昨日の宿はパフォーマンスが悪いという結論に達する。あの薄暗くて超ヤニ臭い部屋とはおさらばし、もっと安くて綺麗な宿に移ることにするぜ。 ![]() ↑こっちのが安いし この日もソカロをメインに散歩しつつゆっくり過ごすことにする。ところで、やはりメキシコといえばのタコスがうまいんです。日本でもそこそこメジャーなものになっているタコス、トウモロコシをひいて作った粉を練り上げたトルティージャと呼ばれる生地に肉や野菜を挟んだ最高にうまいファストフードだ。 ![]() ↑器もとてもかわいい 店の中でタコスを食べていると、外の人だかりが凄い。何だ? 店員も仕事そっちのけで野次馬になってしまったので僕もあわせて出てみると、カトリック教学生が何百人も隊列をなして行進をしている。そしてそのギャラリーもまたハンパではない数だ。当然、警察の警備もかなり激しく、ソカロ周辺はちょっとした騒乱状態。このイベントを祭にあわせたのか、それともこのイベントのための祭なのか、どうやら聖母マリア像を神輿のように掲げソカロ周辺を行進しているみたいだ。 ここで興味深いことがひとつある。それは、その運ばれているマリア人形の髪の毛が黒のストレートであったことだ。おい、普通は白人で少しウェーブがかった金髪のマリア像だろ。もちろん日本でもそのイメージで浸透しているよな。でも明らかに中米先住民テイストなの。文化の変遷というものは面白いもんだな、渡来文化をラフに取り込んで再構築してしまうメキシコ気質というものが見え、とても面白く感じた。しかし信心深い人が多いのか、老若男女問わず皆マリア様に拍手喝采、讃美歌の大合唱。日本では考えられない。タコスをほおばる横で、「俺はキリスト教じゃないし、やかましいだけだぜ」と嘯いていたおっさんがいたが、恐らくかなりの少数派なのだろう。 ![]() ↑一大イベントだ 今日もエンドレスで祭は続きそうだな。明日はこの街を経つ予定なので、帰ろう帰ろうと思いながらも無駄にそんな広場の様子を眺めていてしまう。ゆでたトウモロコシにどっさりチーズとクリームソースをのっけた果てしなくもたれる料理を食べながら僕は帰路についた。 ![]() ↑もたれまくりフード そして気持ちよく寝ようとした夜……奴らが来てしまった。ゴキブリ大量発生。なるほど、甘い蜜には罠がある。値段に見合う宿であった。 |