システマチック・バス・センター12日

昼は眠く、夜になかなか眠れない。僕も年取ってきたかな、カチリと体内時計が現地のものになかなか入れ替わらない。さて、今日は次の街に向かうため、グアダラハラのバスターミナルに向かったのだが、バスステーションに到着して驚いた。どのバス会社のブースでも、座席予約はサーバー上でシステマチックに管理されていて、すべてその場で照会・登録を行うことが出来る。席もゆったりしていてドリンクや軽食までついてくる。メキシコは鉄道網がほとんど発達していない代わりに、バス網がかなりの発展を遂げているのだ。

↑快適なバス車内


ちなみにメキシコ、屈指の先進国アメリカ合衆国のすぐそばにあるため、治安の悪い国、発展途上国、といったイメージをお持ちなのではないかと思う。まあ確かにアメリカや日本の感覚と比べるとその通りではあるのだが、一般に言われる途上国と比べるとかなり進んでいる方だと思う。物価も日本の5〜6割といったところで、僕のイメージとしては先進国に近づきつつある国、といったイメージだ。



平原とサボテン

さてバス移動であるが、目的地のサンミゲル・デ・アジェンデまでは約半日の行程となる。途中の景色は圧巻だ。今僕がいるのはメキシコ中央高原である。起伏の大きな台地となっているため、広がる平原と遠くの山のコントラストが奥行きを感じさせてとても雄大だ。

また、メキシコといえば誰もが思い浮かべる象徴として「サボテン」があるのではないだろうか。安直ですけどね。でもそこは期待を裏切ることなく、そこかしこにそ生えておりますぞ。

↑広がりを感じる風景



サンミゲル・アジェンデ

言葉のわからない映画と睡眠を繰り返し、夕刻前に無事到着。バスステーションの規模や、ざっと見渡す町の雰囲気からして、かなり小さい町みたいだ。バスセンターから町に入ると、石畳の悪路が始まる。だが今まで歩いてきた土地の中で、石畳を残す町で印象の悪かった町はないんだぜ。この町も例外ではなく、石畳の勾配に建ち並ぶ、赤、黄、橙の暖色を基調とした建物がとても美しい。中世を舞台にした映画の中に紛れ込んでしまったかのようで気分は上がるね。

いやしかし、こんなにいいと思わなかった。想像をはるかに越えて街並みが良いので宿は奮発してしまおうと思う。これが社会人クオリティ。……とはいっても一泊3500円だけどね。しかーーし!侮るなかれ。この国では大体1000〜2000円が安宿の枠といった印象なのだが、たった1000円上乗せしただけでとてもいい宿になってしまった。2000円あたりの超えられない壁が確実にあるな、メキシコの宿事情は。

↑3500円クオリティを見よ!

↑3500円クオリティを見よ!


フロントで、チェックアウトをしていたアメリカ人家族が、「良い思い出になったわ」とか従業員と話している。フロントの対応もいいし、従業員の気配りもそれなりに行き届いている。なにより、こういう会話が聞こえてくる宿は大抵はずさない。気分よく眠れそうだぜ。