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色使いが芸術の域
暖色系で彩られた建物が空の青によく映える。こういう町には太陽の日差しがよく似合う。ここサンミゲル・デ・アジェンデは、世界中から芸術家や留学生が集まるアジェンデ芸術大学があることもあって、芸術の町としても有名らしい。町中にもギャラリーが多いのも頷ける。 ![]() ↑この見事なセンスの色配置 ![]() ↑ギャラリーの優しき美人姉ちゃん グアダラハラでそうであったように、この町も中心に憩いの場があり、その正面に教会が建つ。そしてここの教会はピンク色なのだ。とてもポップでかわいらしく、町の雰囲気に大貢献している。先住民のセリオス・エフィーニというオッサンが現地のピンク石を利用して、欧米の教会を真似して建造したためこのようになったのだとか。いわれてみれば欧米の教会よりも丸みを感じた設計になっているというか、ラテンテイストを確かに感じる。圧巻は夕暮れ時で、紅色に輝く教会に鳴り響く鐘の音は僕の心を掴んで離さない。 ![]() ↑桃色の石造り てことで今日は飲むぜ。メキシコのダークビール、ネグラモデロをたしなみつつステーキで大人の晩餐だぜ。コース料理を食べているのに1000円オツでございます。酔い覚ましを兼ねてソカロに行くと、まだまだ多くの人々で賑わっている。ライトアップされた教会がまた美しいんだ。僕はキリスト教徒ではないけれど、この美しい教会を眺めながら石畳を歩いていると、グッとこみ上げてくるものがあるね。とてもロマンチックな夜に乾杯だぜ。 ……ま、ひとりなわけだが。 ![]() ↑やばいでしょ 有効な時間の使い方 町も快適ならば部屋も快適、言うこと無しである。早朝に屋上から眺める朝のサンミゲル・デ・アジェンデも気持ちイイ!今日も一日散歩とソカロで時間を潰して過ごそう。 ![]() ↑気持ちの良い朝 ところで、美しいコロニアル都市の代表ともいえるサンミゲル・デ・アジェンデだけど、まず、そもそも"コロニアル都市"って何だろうか。 世界的な意味では、植民地都市、ということになる。もちろんそれは間違っていないのだが、中南米では「スペインの伝統に則った」、といったような良い意味で使われることの方が多いのだとか。こと中央メキシコにおいては1500年代に銀山発掘のスーパーシルバーラッシュがあったわけなんだけど、その莫大な冨を用いてスペイン以上の町を作るぜ!!といった潮流があったそうな。ただ、そうはいってもここはメキシコ、バロック様式を目指しながらもどこか現地文化の影響を受けた独自の形態になってしまった。てなわけで、こういったメキシコらしい鮮やかな装飾を持った建造物で出来た街を、メキシコではコロニアル都市と呼んでいるわけだ。お勉強お勉強。 まあとはいってもこの町はちょっとだけ違っていて、実は銀鉱によって栄えたのではなく、手工業によって栄えた町。ゆえに、いまも芸術の町としてその息吹を継承させているんだな。 ![]() ↑独特のコロニアル様式だ 公園に座り、音楽を聴いて絵を描いて日記をつける。まどろみの午後はゆっくり時を刻んでいく。ふと思い立ち、教会の中に入るとやはり面白いものが。宣教師の像が天然パーマの褐色肌の人物だ。何体もの「聖・誰々」といった像が並んでいるが、皆メキシカンテイストなのはどういうことよ。さすがにイエス像はヨーロピアンだったが……うーん、この吸収具合おもしろすぎるだろ。日本にもジャップ顔の聖人像ばかり揃えた教会とかあったら面白いのに、なんてふと思った。嘘っぽい滑稽な感じになりそうだけどな。 さて、明日はグアナファトだ。いつだったか、夜のグアナファトの写真を見た。いつか中米に行くことがあるならば、必ず行こうと考えていた町だ。 |