THE D4 | 「6Twenty」 |
日本のバンド、ギターウルフと非常に仲が良くて、少し話題になったD「Invader Ace」はギターウルフのカバー曲。日本語何言ってんのかまるでわかんないけど。ところで最近ギターウルフのトリビュートが出たけど、メンツ凄いね、あれ。んまぁD4は当然のように入ってるんだけど、ジョンスペとかダットサンズとかジムオルークとかね。オレが思ってるより凄いんだねぇ、ギターウルフは・・ってこれはあくまでD4のレビューだった。このバンド名、Dangerousな4人ってことでD4らしいよ。これを最高ととるか最悪ととるかで好みは分かれます。最高ととれればこのB級直球ロックンロールは好きなれると思う。あくまでこのB級具合が非常にD4らしいところで、その特徴は単純なコードに単純な曲に単純な歌詞に単純なアレンジ(これは褒めです、一応)。どこまでも単純で、勢いで作品の最初から最後まで疾走し続ける点が潔くてかっこよろしい。だからちょっと変わったことやスパイス的な要素を要求する人にとってはかなり暑苦しくて疲れちゃう音楽なのも否めない。でも好きな人はホントに好きになると思う、そんな作品。まぁこういうバンドは立ち止まらず突っ走ってってもらいたいもんだね。
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ECHOBELLY | 「Everyone's got one」 |
ブリットポップ全盛期の94年に登場したエコーベリーのデビュー作。インド系の女性ボーカリスト、ソニア・オーロラ・マダンを抱える。バンドサウンドは非常にダイナミックで、躍動感溢れるボーカルと少々大仰なアレンジがいかにもエコーベリーらしい。ただやっぱ今の感覚で聴くと、古いなぁ。オレ的にいい音楽は80年代後半くらいからは「現在の音楽」として、それより前を「過去の音楽」として捉える感覚、というか癖があるんです。で、プリットポップ期で生き残ったバンドは、オアシスにしてもブラーにしても、今聴いても何ら色褪せてないのだけれど、これは「昔」の音楽として聴こえちゃう。そこらへんがあの動乱を生き残るバンドとしての境界線なんだろう。でもソニアの芯があって明朗な歌唱は素晴らしいもので、いまやシーンに現れなくなったのが勿体無い。解散はしてないらしいのだが。ちなみに、タイトルの頭文字を取るとエゴ、ってなる。イギリスで育ったソニアは、人種差別を受けたり、超厳格な家庭で育ったりしたらしいから、人のエゴとか自由とかってものに敏感なんだろうね。 |
ELASTICA | 「Elastica」 |
実はエラスティカ自体を聴いたのけっこう最近で、名前は知ってたんだけど何か聴く機会がなくてスルーしてきてたバンドだった。で、とあるコンピアルバムに曲が入ってたんだけど。というとそれが何かわかる人にはわかっちゃうかもしれないけど、とにかくかっこいい!と思ったバンドです。いわゆるブリットポップ期に現れた元Suedeのジャスティン・フリッシュマン率いるガールズバンド、だね。初登場全英1位だったそうです。フロントの三人が女の子ということで、軽いポップ音楽を想像するなかれ、サウンドは結構ノイジーで、ニューウェイヴ的な要素を持ったパンクロック。声も非常にロッキンな声で、ガールズバンドをそんなに聴かない人でも絶対かっこいいと思えるはず。@「Line Up」、B「Connection」、J「Waking Up」、N「Stutter」・・・どの曲も簡潔で、クールな疾走感がたまらない。で、ギターのドナが凄くかわいい。 |
FRANZ FERDINAND | 「Franz Ferdinand」 |
フランツフェルディナンド、04年最大の新人として各方面から大絶賛大人気の嵐、そんなスタートを切った彼らの1stです。イギリスのメジャーシーンというのは日本と違って、まぁ勿論商業的なアイドルバンドやラッパーどもがひしめきあってはいるんだけど、しっかり「いい」音楽が「いい」順位をとることもあるわけで。彼らのこのデビュー盤も全英チャート初登場3位という新人らしからぬ偉業を成し遂げた作品であります。で、内容もそれに違わぬものとなっていて、エッジの効いた二本のギターにドラムは四つ打ち裏打ち中心、サウンドはガレージなんだが非常にダンサブルな仕上がりを見せている。本人達も踊れる音楽を作りたいと言っていて、その趣向は上手く反映できていると言って良いだろう。何と言っても曲がキャッチーで、@「Jacqueline」、B「Take Me Out」を筆頭に全曲同程度の高い完成度を持つ。下手するとギャグになってしまうナルシズムとニヒリズム満載なボーカルとださいコーラスも、ズッチャカサウンドにうま〜く消化されてていい感じです。この微妙なエセ感をかっこいい領域に倒せてしまう能力はイギリス特有のもの。しかし、これは決して破格にとっつきやすい音楽などではないと思うんだが。これを3位にまで押し出してしまうイギリス国民の感覚が羨ましい。 | |
FRANZ FERDINAND | 「You Could Have It So Much Better」 |
彼らは確信犯であると、オレはこれを聴いて思う。1stを出した時点で、この2ndを狙っていたように思えて仕方がない。今作は、前作から「成長した」といって作れる類の作品ではない。もともと彼らはこの作品で見られるような圧倒的構成力をかねそなえていたとしか思えない。1stは単純で衝動的な曲が多く、恐らくそれは正解であった。初めから入り組んだことをやると大衆性を失いかねないからだ。大衆性を狙う彼らとしてはそれは不本意、故に今作に彼らは勝負をかけてきた。そしてこれは間違いなく傑作の類である。まずなんといっても曲がおもしろい。けっこう細かいことをやっていながらも超ポップ。@「The Fallen」、A「Do You Want To」、B「This Boy」の流れが凄い。先行シングルAのキャッチーさは前作の「Take Me Out」にも勝るとも劣らない。そしてその同等の勢いを持つ流れが後半、G「Well , That Was Easy」〜J「You Could Have It So Much Better」にもある。このグループではタイトル曲Jの勢いが群を抜いている。更に、その隙間で存在するバラード、新世代フォークソングC「Evil And The Heathen」、ジョン・レノンを彷彿とさせるメロディと声F「Eleanor, Put Your Boots Back On 」、ワルツ調の名曲「Fade Together 」がまた彼らの底を深めている。彼らの勢いは今とどまることを知らない。UKロックバンド勢としては、オアシス、ブラー、レディオヘッドに続く武道館公演。しかも二作目発売と同時は破格の早さだ。必然的に目を離せなくさせられている自分がいるのが少し癪だ。 |