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朝はゆったりと
朝のヒマラヤを見るために日の出前に早起きする。早起きなんて普段は嫌いなのに、自然と目が覚めてしまうから不思議なものだよな。屋上にて遠くのヒマラヤを眺める。はじめは闇に浮かぶ灰色、朝陽を浴びて薄橙色に、そしてその真っ白な姿を・・・刻々と時間を追うごとに表情を変えてゆく。あぁ、ヒマラヤ山脈なんだな、あれは。見計らったようにラムさんがそばに来て、山の説明をしてくれる。正面に見える一際大きいマチャプチャレよりも、低く見える周りの山の方が実際は標高が高いらしい。7000〜8000m級の山々なんだ・・・。 チベット難民キャンプ 屋上での昼寝があまりにも気持ちよすぎて、約束の時間を大幅に過ぎてから出発することになってしまった。悠々と時間をかけて昼過ぎに目的地であるヤムジャに到着する。そしてここの空気が自分を優しく包むのが車を降りた瞬間にわかった。カラフルなタンカや寺院、雪解け水の乳色をした河、棚田を抱えた山・・・本場に行ったことがないのでわからない部分もあるが、これは写真で見るチベットの雰囲気だ。感動するぜ。 1959年のチベット動乱期の際、中国軍の侵攻により彼らはヒマラヤを越えてネパールに流入することを余儀なくされた。そしていくつかの土地に難民キャンプとしての居住地を作り、今なお暮らしているのだ。 そんなわけで、ネガティブなイメージを多少なりとも持って訪れたオレだったが、本当に豊かで優しい心を持つ人々がたくさんいたように思える。店先でたむろしている人たち、歩道でゲームをしているおじいさんたち、家の修理をしている若者、商売っ気のあるおばさんたち。話してみると皆笑顔が美しいんだ。 寺院を案内してくれたおじいさん、祈りながら歩いていたお婆さん、足の速いサッカー少年たち、はにかみ屋さんのかわいい女の子、道に迷ったオレたちを案内してくれたおばさん、食堂の優しいお姉さん、カローラのおっさん・・・昨日仲良くなった彼らの家を探すために散歩していたほんの少しの時間帯にも関わらず印象に残っている人たちが沢山いる。屈託のない人たちが沢山いる。 ![]() ↑石彫師のおじいさん。 ![]() ↑のどかなのはたまらんです。 手がかりは、「ホームステイをしている日本人女の子」。ニアミスもあって、訪れた時はみんな家にいなかったんだけど、最終的には全員と会うことができた。最初はお姉さんだけがいたので事情を説明すると、「もうすぐみんな帰ってくるからとりあえず上がって待ってなさいよ」と、次から次へと食べ物や飲み物を出してきてくれる。不思議な味の飲み物も、ひとくちふたくち飲むと次いでくれる。何でこんなに献身的なんだ、それともこれが普通なのかな。そうしてるうちに、一人また一人と兄弟たちやその女の子が帰ってきて挨拶を交わす。良かったよ、会えて。 なかなかオレたちがやって来ないので、「遅いし来ないかもしれないよ」と彼女が言っても、チベット人の彼らは、「昨日『行く』って言ってたんだから絶対来るさ」と信じて疑わなかったらしい。その純粋さ、心打たれるな。ごめんなさい、気持ちよく昼寝してました。 ナイトライフ 非常に名残惜しかったが、別れを告げてポカラの街に戻る。ここでモードを切り替え、真夜中のラジさんラムさんと共に悪ノリして夜遊びをする。彼らは地元の若者ってこともあって、ネパールナイトライフ事情をよく知っているわ。間違いは無いぜ。 |