美の都パタン20日

美の都、パタンに行く。アサン・チョークというバザールを抜けてテンプー乗り場へ向かう。テンプーというのは庶民の足、いわゆる乗り合いバスのようなものだ。身振り手振りで何とかパタンに行きたいことは伝わったみたいで、パタン方面行きのテンプーに乗り、揺られること数十分、「ここで降りてこうこう歩いていくとあるよ」とやはり身振り手振りで教えてくれる。

家屋の細かい彫刻に感心しながら歩く。カトマンズ盆地に紀元前から住んでいるというネワール族の伝統が息づく町、それがパタンだ。彼らは彫刻、絵画などの芸術に秀でており、ここパタンは工芸の町としても知られているのだ。

↑野菜の量り売り。



作られた感じだ

先生が日本にいたことがある、とのことでやたら日本語が流暢な4人組と話をしながら過ごした。年は皆同じ年だったので話も盛り上がる。話題の中心は女の話ばかりで、その中の一人は観光客と見れば果敢に話しかけるバイタリティ。しかし、ここはやはりカトマンズで一、二を争う有名観光地だな。確かにネワール建築が密集するダルバール広場の景観は見事なものだ。しかし、彼ら4人組も結局は観光客に自分らの作ったタンカをいかに売ろうとするかを考えていたし、しつこい自称ガイドも結構いた。外国人目当ての商売魂を特に強く感じる場所だった。そう思って見直すと、このダルバール広場もどこかアミューズメントパークのように見えてきてしまうから少し寂しい。とは言っても勿論雰囲気はすばらしいものであり、オレはジャンガナラヤン寺院の軒下で日差しをやり過ごしながら何時間も本を読み、時にはうつらうつらとしながら過ごした。

↑細かい装飾まで見事。



鬼ステーキ

適当にマイクロバスを停めてタメル地区まで行きたい旨を伝えると、「これはそこまで行かないんだけどなぁ・・・」と言いつつもタメルのかなり近くまで車を走らせてくれた。礼を言い宿に戻る。排気ガスの多さからか喉がすぐ張り付いたようになる。うがいは必須だ。

基本的にネパールで牛を食べるとなると水牛になるのだが、インドから取り寄せた牛肉を使った外国人ツーリスト向けのステーキレストランがタメルに一軒ある。外装内装完全に欧米モノであり、普段なら絶対オレは行かない類の店であったが、数百円でとんでもない量のステーキが食べられるから是非行け!と以前教えられていたのだ。

客はオレ以外は欧米の人ばかりでいささか居心地が悪かったが、出てきたステーキは予想を超えた大きさであり、また実においしかった。こんな夕食もたまにはありかな、と少し思った。しかし店を一歩出るとそこはいつものネパールの喧騒だったことは言うまでもない。オレはそのギャップに軽くとまどい、少しぶらついてから帰ることにした。

↑山盛りのポテトに、拳大の肉塊が2つ。