ストゥーパを眺めながら21日
夢に学生時代の思い出が出てきた。旅の終わりが近く、故郷に思いを馳せている自分がいるのかもしれない。行こう、最後に向かうのはボダナートだ。 到着するとそこには大迫力の仏塔があった。塔に描かれた目、これは独特のものだよな。これを見たかったんだ。仏塔、ストゥーパというのだが、4層の台座は地、半球状のドームは水、目の描かれた部分と尖塔は火、その上の円形の傘は風、先端の小尖塔は空、と宇宙を構成している五要素から成ると言われている。この巨大なストゥーパを抱えるボダナートは、チベット仏教に生きる多くの人々の聖地とされていて、他のネパールの地とは少し雰囲気が違う。エンジ色の袈裟をまとったチベット僧の姿も目立つ。真言を唱えながらこのストゥーパの周囲をひたすらに歩いてまわるのだ。その流れに乗りながら、せめて空気だけでも彼らに近づこうとした。歩きながら旅の思い出を反芻する。自分を見つめなおす。これからのことを考える。心が明確になってゆく。 ↑夕方になるとかなりの人数に。 最後の夜 泊まっている宿のオーナーは、ネパールルピーの手持ちが足りなくても「後でいいよ」と言ってくれる。彼と少し話をしたり夕飯を食べたりして再びストゥーパへ向かうと、バターランプがいたるところに灯りだしている。辺りが暗くなってきてもまだストゥーパをまわっている人の数は衰えることを知らない。ストゥーパに登ると沈みゆく夕陽が見える。旅の最後にふさわしい光景だ。 ↑でも最後の夜も実は大停電。 |