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サービスな男
早朝、列車より降り立つはアグラ・カント駅。日差しは強く今日もいい天気だ。夜8時にいったんデリーに戻るため、今日一日をどうやって使おうか迷うな。ということで、リクシャー乗りの親父と交渉して、夜までアグラ周遊の足として雇うことにした。後で面倒なことにならないように事前交渉をしっかりして・・・と、しても面倒なことになるのがインドだけど、まぁそうなったらそうなったでその時対応しよう。 しかし何たる運の良さ、彼は善良なる人。決してぼろうとはせず、サービス精神を持っている男。「オレがお前から金を騙し取るのは簡単だ。でもそれで信用を失うことはオレの将来的な失敗につながるだろ?それが一番怖い」と言う彼。オレはひどく感心した。このインドで、サービス産業の仕組みを理解している珍しき男だった。彼の名はタリク。 アグラ観光 ご存知タージマハルの裏手を通り、川沿いのチャイ屋さんでチャイを何杯も飲んだら、イディマド・ウッダウラーへ。白大理石で出来ているためか、ベビータージだなんて俗称もあるらしい。まーったく知らなかったけどタリクが絶対いいから行けと言うので来た感じ。そして実際良かった。大理石に彩られた模様は美しく、廟内は静かで綺麗だ・・・しかし一歩外に出るとそこはカオス。よくこんなところで暮らせるなってくらい汚い場所に家を、集落を作り、乞食の如く生活をしている人々。砂地というか泥地というかその上に布が一枚敷いてあり、お世辞にも屋根とは呼べない雨避けが立てかけてあるだけの家。「金くれー」「金くれー」。日本のホームレスの方がよっぽど素晴らしい暮らしをしている、しかしこれが彼らの普通なのだ。 ![]() ↑何にせよこりゃ美しい。 そして次に向かうはア〜グラ城。16世紀に造られた大要塞です。どっしりと構えた城壁と赤砂岩が目に焼きつき、別名「レッド・フォート」なんて呼ばれたりもする。とにかく大きくて迫力があるんだけど、それでいて王宮内の壁や柱の彫刻は細かくて繊細。歴代ムガル皇帝の中でも唯一人「大帝」と呼ばれるアクバルが作った大城砦なのだ。 ![]() ↑どどーん、でかっ。 ![]() ↑相当な広さを持っているのです。 そしてタージマハルへ メシを食べ、しばらくふらついた後に、タージ・マハルに連れて行ってもらう。入場料はなんと750ルピー。半端じゃない外国人料金、足元見すぎ。安いホテルなら1週間泊まれてしまう。でも払ってでも見る価値は十分あるだろうな、ってことで。 世界で一番美しい建築物と言われるタージ・マハル。いや、ホントそれだけの評価を得るに恥じない建築でした。やっぱこれを見ておかないと!ところで、タージ・マハルはお墓だということは知っていますか?シャー・ジャハーン帝が22年かけて建てた、愛妻マハル妃の慰霊碑がこのタージ・マハル。色、艶、形、水に映る様、陽を浴び赤橙に輝く様、そして妻への思い。いろんな意味での美がここにあるな。 ![]() ↑さすがに凄いわ。 ![]() ↑やばいでしょ、これはホントに。 バイバイアグラ よーし、メシでも食って駅で時間つぶして帰るか、と思っていると、ここでサプライズが。すっかり仲良くなっていたリクシャー乗りタリクが、「家帰るけど良かったら寄ってく?」と言うので、是非お願いします!と伺わせてもらう。家では彼の子供たちとゲームしたり、夕飯までご馳走になってしまったりして、うーん申し訳ない。が、大感謝ですありがとう。楽しかったー。 ![]() ↑時として凄まじき威力を発揮する、旅の指差し会話帳。 |