セイロンティー!4日

朝、どこか懐かしい香りを感じながら目を覚ます。まだ2日目なのに?なんでこんな感覚に陥るんだろうか。この赤道付近の日本とは似つかぬこの島で懐かしい感覚を感じるなんて。とにかく起きるとしよう。

 寝ぼけた頭で朝食を摂る。紅茶がンマイッ!!噂には聞いてたけどこんな旨いのか、紅茶は。特に砂糖の入ったフレーバーティーなんかは一口も飲めない。しかしセイロンティーは砂糖を入れてもいくらでも飲めてしまう。クセがないんだな。気候との相性もあるのかな。

宿の親父と談笑していると、

「せっかくだからこれを持っていけ!」

と、一冊の本をくれた。お、本は何気にありがたいぞ。どれ、おぉ五木寛之先生じゃないか。スリランカにて五木をくれるなんてこの親父なかなか乙じゃないか。タイトルは……


「青春の門     ・・・下巻」


意味ねぇー。


しかし御好意を無碍にするわけにもいかずありがたく頂戴することにする。荷物が少し重くなっただけである。



予想外な存在

目指すアヌラーダプラの街はスリランカのやや北部にある。今は西部にいるので、バスで5時間ほどかけて向かわなければならない。そのためバスターミナルに向けて歩いていると、ふと目の端に入るものがあった。


それは海だった。


朝懐かしい香りがしたのは潮の香りだったのだ。昨晩は真っ暗なうえに雨が降っていたので、ここが海の街とはまったく気づけずに訪れていたんだな。それ故に衝撃は大きくテンションの上がり具合は高い。思わず駆け寄ってしまった。

見たことのない舟だ。なんと原始的な舟なのだろうか。あんな舟で漁をするのだろうか。いや、しているんだろう。この国はまだまだ発展途上国だ。風の強い海岸線、オレは原始的な帆を張っただけの舟が何艘も揺れているのをしばし眺めていた。

↑海は汚いけどね。



バス道中!!

アジアでは御馴染み、トゥクトゥクという三輪タクシーの運転手が非常に笑顔の素敵ないい奴で、
「アヌラーダプラに行くならこの道をバスが通るはずだ」
と言って、炎天下の中一緒に待ってくれた。今日は日曜日、なかなかバスが来ない・・・。
「大丈夫、もう少し待てばきっと来るから」
バスの行き先表示は基本的にシンハラ語。これでは通っても俺にはわからない。彼は一時間以上も辛抱強く待ってくれて、バスが来たら止めて俺を乗せてくれた。なんて親切なんだ。そしてなんて暇人なんだ。

バスの中は大混雑!しかし異邦人の乗客に車内は盛り上がる。乗客は荷物の席を空けてくれて色々話しかけてくる。しかし何言ってるかわからない。運転手は運転席の横の本来座席ではないようなとこに座らせてくれる。切符切りは俺の写真を携帯で撮って喜んでいる……ってその前にスリランカの携帯電話にもカメラ機能はついているのですか!むしろそれが衝撃。。
座席の下にはエンジンかなんか入ってるっぽくかなり熱い。するとそれを察した運転手が自分の座っている座布団を俺の方に寄越してくれる。なんなんだ、こいつらのナイスガイっぷりは。

5時間バスに乗り続け約100円。安すぎだろ。

↑飛ぶわ揺れるわで大変だが。