カリー!
アヌラーダプラに到着! タイのアユタヤみたいな雰囲気だ。程よく落ち着いていて程よく街機能も揃っている感じか。ただ外国人が一人も見当たらないのが少し違うところだが。程よいホテルを探し当て荷を解くと、どっと疲れが出る。部屋の外の椅子に座り旧市街の方を眺めながらうつらうつらする。あの遠くに見えるのが、ルワンウェリ・サーヤ大塔だろうか。そしてバスの座布団で染み付いた香辛料の匂いがとれないのである、が最高楽しかったから許す。 せっかく南アジアに来たのだから、そう、カリーを喰らうべきだろう。オフコース、手で。ひょんなことから仲良くなったイタリア人カップルと一緒に飯屋の兄ちゃんのレクチャーを受けながら恐る恐る試してみる。手で食べる、ってことで兄ちゃんもうれしそうに教えてくれる。南アジアのカリーは日本式のカレーとは違って、数種のカリーを少しずつとりそれを米とこね合わせてから食べる。雰囲気も抜群だ。最高に辛い、しかし最高に旨い。ただでさえサラサラしている米なのに、手で食べるとなるとなかなか口に運ぶのが難しいな……。外国人が箸を使うとこういう気分になるのだろうか?? しかし気付かされた。手はナイフにもフォークにもスプーンにもなるんだな。凄いぜ。 自転車にて巡礼5日 自転車を借りて、古都アヌラーダプラを走ろうと思う!乗って5分でサドルが一番下まで下がってしまったが、これは決して体重のせいではないぞ。自転車がオンボロすぎるのだ!しかし本当にボロイな。こんなんで一日もつのだろうか。 スリランカは実は、世界有数の良質で重要な仏教遺跡が残る国。島の中央部に位置する、アヌラーダプラ・ポロンナルワ・キャンディの三都市を結ぶ三角形の内部は文化三角地帯と呼ばれ、旅人の浪漫をかきたてる。ここアヌラーダプラは2500年以上も前に栄えていたスリランカ最古の都。残っている灌漑施設や上下水道、計画的に整備された道路などの遺跡から、かなり高い文明を持って栄華を極めていたのではないかと考えられている。旧市街の方は遺跡が満載で、仏塔や王宮跡、菩提樹などが今も市民たちの祈りの場となり、また憩いの場となっている。 やはりなんといっても大塔――ダーガバの迫力、これに尽きる。ダーガバとは半球状の形をした巨大な仏塔のこと。ルワンウェリ・サーヤ大塔は真っ白が空に映える美しい仏塔で、巡礼しているスリランカ人もかなり多かった。対照的にアヴァヤギリ大塔はかつての中心地だ。今はもう世代交代をして廃墟となり、草木が生い茂った姿となっているが、俺自身は日本でこのアヴァヤギリ大塔の写真に衝撃を受けていたので、是非こちらを目にしておきたかったのだ。 ↑白くて巨大なルワンウェリ・サーヤ大塔。 ↑長い時間を感じさせるアヴァヤギリ大塔。 パンクしやがる 警備員に、「ここに自転車置くから見といて」と言ってしばらくして戻ってくると自転車がパンクしている! 「誰かイタズラしたの?」 と聞くと、 「さぁ・・・。とにかくここを歩いたところに土産屋があるからそこで空気入れてもらえ」 と警備員が言う。やられた・・空気を抜かれて店に行かせる。そこで空気を入れてもらい金を要求される。これは典型的騙しパターンなんじゃないか。くそぅ、汚いぜ。スリランカの人たちみんな人懐っこいから気を抜いた、でも空気入れないことには始まらない、と思いながら店に行って空気を入れさせてもらう。 すると金を要求されるどころか、「金??そんなものいらないよ!」と。どんどん話しかけてきたり何かお菓子くれたりと全くの杞憂に終わる。ということは本当に空気が抜けていたんだ。心が汚れていたのは俺の方だったわ。 空気が抜ける度に、そこを通りがかる人たちが近くの店や民家に連れて行ってくれて空気を入れてくれる。オレはとても温かい気持ちになった。 ……が、そもそもこんなチャリを貸すなよ、と後から思った。 |