魅惑のエミレーツ14、15日

ドバイ経由でイエメンに向かうが、ドバイ行きは関西空港からしかフライトがない。ゆえに今回は羽田空港発。成田が無駄に遠いということを否が応にも思い知らされるね。今回使う航空会社はドバイが誇るエミレーツ航空。そのサービスの良さとフライトの快適さは、世界中の航空会社の中でも屈指と言われているのだ。

そして事実、フライトは快適だった。食事も美味かったしFAのサービスも滞りなかった。天井のプラネタリウムといい何百種類もある動画チャンネルといい、このサービスで格安航空券も出回るというのはなんとも快いじゃないか。さすがエミレーツ。勿論機内ではビールを飲ませていただく。イエメンは禁酒国ゆえに酒は期待できないらしいので、今のうちにチャージしておかないと。そして日本のバンドもの青春映画を見てしまったオレは、せつなーい、むなしーい気持ちで旅を始めることになった・・・。



サナアへ

明け方、その発展具合を象徴するかの如く煌びやかなドバイ国際空港に到着。そこから更に3時間ほど飛行機に揺られ、眼下に広がる砂漠を越え、そびえる岩山の合間を縫い、イエメンのサナア国際空港に到着。降りた途端軽い眩暈がする。それもそのはずここサナアは、2500m級の標高を誇るに加えて、緑がない乾燥地帯のため、実際は富士山頂上付近と同じくらいの酸素濃度なのだ。ゆっくり深呼吸をする。これが中東の空気だ。本当に来てしまった。イエメンだ。

タクシーをシェアして、とりあえず街の中心地、タフリール広場へ向かう。乾燥した風を切りながら、程よい緊張感と期待感に包まれる。これがたまらんのだ。

↑タフリール。イエメンで最も栄えている場所。


このご時世だ、無論街には車が走っているし、日本の家電製品は人々の羨望を集めてやまない。しかしおそらく人々の基本的な生活、そして思想のスタイルがずっと変わっていないところがイエメンのいいところだ。いまだに男たちはターバンを巻き、男の誇りであるジャンビーア(半月刀)を腰に差している。女たちは人々の視線から逃れるかの如く黒いベールに身を包んでいる。イスラムの教えが色濃く生きる国なんだ。そしてここ首都サナアの旧市街は、人が暮らす最古の街と言われ、築数百年の建物がひしめきあっているのだ。時代は変われども、中世アラビアの世界が確かにここにあるんだ。