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空路で東へ
「つか、飛ばしすぎだから!」 今まで暴走ドライバーには何度も会ったが、ここまで飛ばすドライバーは初めてだ。確かに「急いで空港まで」とは言った。しかしそれも命あってのものだ。今日は、東の砂漠地帯ハドラマウトに空路で向かう。「エアポート」という英語が通じず、わざわざ携帯で英語の話せる友達とつないでまでオレの言葉を聞いてくれたところまでは良かったのだが、とにかく運転が荒い。漫画のように車のボディーだけすっ飛んでいってしまいそうな気がしてしまう。 「トヨータ、マツーダ、ニッサン、グーッ!!」 途上国特有の聞きなれた台詞だ。もう聞き飽きた。まずスピードを落とせ。 対象的に空港ではゆっくり時間が流れているのか、予定よりかなり遅れて搭乗時間だ。約1時間のフライトの後、砂漠地帯ハドラマウトへ到着。 ![]() ↑惑星風な景色。 灼熱のハドラマウト え?サウナ? それくらいの灼熱地獄。なんなんだこれは、こんなに暑い土地は経験外だ。40〜50度の気温を誇るこの土地は、今は枯れ果てたアラビア半島最大の河の底にあるのだ。両側にそびえる崖、つまり昔の河岸により熱は逃げず風は通らない。照りつける日差しと乾燥した空気がオレの体力をみるみるうちに奪ってゆくのだ。 ハドラマウト最大の街サユーンに荷を下ろし、散歩に行こうとすると宿の親父が「この暑さで出歩くとかナシだって」と諌めてくる。それを振り切り出歩き、しばらくして後悔の念に包まれてゆく。汗をかくわけでもないのに、体の水分がどんどん乾いていくのがわかるのだ。これは新感覚だ・・と感心してる場合ではなく水分補給を怠ってはならないな。うだるような暑さだ。 ![]() ↑昔は水位があんなところまで・・・。 ![]() ↑泊まっていたホテル。かわいい外観。 さて、砂漠の摩天楼シバームへ行くぞ。このためにオレはわざわざ飛行機に乗ってまでハドラマウトへ来たのだ。陽気で優しいタクシー兄ちゃんと交渉して、いざシバーム! |